代表者メッセージ(2022年8月22日更新)
政府が今年4月に公表した、孤立問題に関する初の全国調査結果によると、16歳以上の3人に1人が孤独・孤立を感じ、「常に」「しばしば」という回答者では、20代~30代、失業中、派遣社員、世帯収入100万円未満という属性が明らかになりました。この結果から、貧困・困窮政策の不十分さが孤独や孤立を生んでいることが分かります。つまり、孤立や孤独は個人の問題ではなく、社会環境の変化が要因で、社会全体で対応しなければならない問題といえるでしょう。
しかし、孤独や孤立の捉え方が、人間関係や心理状態の問題へと矮小化されており、社会的な背景の中で生じているという問題認識がありません。むしろ社会的排除と呼んだ方がよいのではないでしょうか。社会福祉協議会の使命は、地域福祉の文脈において社会的排除を乗り越えて社会的包括をつくることだと理解しています。
公的な福祉サービスでは対応できない生活課題、福祉制度で拾いきれないニーズ、制度の谷間にある人たちに社会福祉協議会のワーカーが対応しています。公的な福祉サービスによる総合的な対応を変えていくのはなかなか難しい現状があります。また、社会的排除の対象となりやすいマイノリティの人たちに対する無理解からくる問題、偏見や差別もあります。社会的包摂によりコミュニティの生活者の課題を地域で市民共同の下で解決していくことが、社会福祉協議会が担っている使命だという思いを新たにしています。
社会福祉法人
尼崎市社会福祉協議会
理事長 松 原 一 郎
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